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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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胎教や幼児英才教育と子の能力発達に科学的根拠ほとんどなし

NEWS ポストセブン  11月28日(月)7時5分配信

妊娠中から子供にいい影響を与えようと、胎教を心がける親も多いだろうが、実際、胎児にどんな影響があるのだろうか。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でおなじみの脳科学者・澤口俊之氏が解説する。

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胎教について世間ではさまざまな考え方があるようですが、実は胎教に関する科学的データはほとんどありません。

ヒトの胎児の成長や発達は学術用語で「妊娠中の胎児発達プログラム」とよばれています。つまり胎児は、妊娠初期から出生まで決められたプログラム(段階)にそって発達するというわけです。

そして女性は、このプログラムに対応する形で、母になるための心や体を作っていきます。その途中で、“元気に生まれてきてくれるかしら”とか、“ちゃんと母親になれるかな”などにはじまる「妊娠特異的不安」とよばれる不安感や心配感を抱くようになります。

「妊娠中に不安な状態でいるのはよくない」という話を耳にしますが、実は、多少の不安感は胎児の発達に不可欠なのです。

女性は妊娠するとさまざまな「不安関連ホルモン」が急速に増加することがわかっています。ヒトは不安になると心拍数が上がります。不安系ホルモンが増えると、お母さんの心拍数も上がりますが、同時に胎児の心拍数も上がります。

心拍数が上がると脳機能は向上するため、「不安関連ホルモン」は胎児の脳の発達にとって必要なものといえるわけです。ただし、過度な不安による長時間の心拍数の上昇は、胎児の脳にとってマイナスとなります。

胎児の心拍数は、お母さんの声を聞くことでも上がります。ですが、父親を含む他人の声では心拍数は逆に下がることがわかっています。また、音楽が胎児の脳の発達にプラスに働くといわれている根拠のひとつは、音楽によっても胎児の心拍数は上昇するからです。

胎児が母親の声や音楽を認識できるようになるのは、妊娠30週目ほどの妊娠後期です。胎教についていえば、中には妊娠初期から英語のCDを聞かせる、特殊な音の出る専用グッズをお腹に当てるなどの方法で行うかたもおられるようです。が、私自身は、妊娠後期からの母親の胎児への語りかけと音楽だけで充分だと思っています。

多くの親たちが、わが子を天才に育てたいという願いを持っています。その結果、錯綜する情報に振り回され、胎教や幼児英才教育にお金と時間を注ぎ込みます。ですが、胎教や幼児英才教育と子供の能力の発達に関しては、いまのところ科学的な根拠はありません。むしろ悪影響というデータもあるほどです。

前述したように、特別な胎教などする必要はほとんどありません。何よりも必要なのは、多くの愛を注いであげることなのです。

※女性セブン2011年12月8日号

参照記事

共感覚の謎、最新技術で解明進む

ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト  11月24日(木)18時56分配信

色を“聴き”、単語を“味わう”人がいる。最新の研究によれば、複数の感覚が結び付く「共感覚」は脳の仕組みを理解する重要な手掛かりになるという。

共感覚が初めて科学的に記録されたのは1812年。以来、長年にわたって広く誤解されてきた。多くの専門家が軽い精神疾患の一種と考えていたのである。

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のデイビッド・ブラング(David Brang)氏は、「共感覚者にとって、“数字の2は青い”だけではない。2は男性で帽子をかぶっており、7と恋愛関係にある」と説明する。「このような擬人化が共感覚の症状かはわからない。しかし、多くの研究者は全くの作り話だと考え、興味を持てなかったようだ」。

だが、この30年で、共感覚に身体的な原因を示す証拠が相次いで示されている。例えば、共感覚者の脳は各部の結び付き方が異なる。また、遺伝しやすいため、遺伝要素も関係があるとみられる。

実際、ブラング氏らは、この不思議な現象が生き残ってきた背景には、進化的な理由があると考えている。創造的思考においてある種のメリットを得られるためだ。「共感覚者の95~99%が自身の共感覚を喜んで受け入れている。そして、生活の質を高めてくれると述べている」とブラング氏は話す。

◆脳の配線を見る新手法

共感覚が長年にわたって誤解されていたのは、連想が非常に明確で、描写が細かいためだ。かつて、一部の専門家は統合失調症などの精神疾患と結び付けていた。

研究論文の共著者で、同じくUCSDの神経科学者ビラヤヌル・ラマチャンドラン氏は、「共感覚は進化における原始的な状態への“後退”だという見方もあった」と説明する。

しかし現在は、200年前はもちろん10年前でさえ不可能だった手段で脳を徹底的に調べることができる。

その一つが「拡散テンソル画像(DTI)」という一種の脳スキャンだ。DTIを使用すれば、脳のさまざまな領域がどのようにつながっているかがわかる。「共感覚者の場合、関連する感覚のつながりが強い」とブラング氏は述べる。

感覚をつかさどる脳領域の結び付きを視覚化すれば、特定の共感覚が存在する理由や、多くの知覚現象が一方向だけに起きる原因がわかるかもしれない。一方向性の例として、数字は色を連想させるが、色から数字を連想することはあまりないという。

すべての人は共感覚の神経機構を持つが、何らかの理由で抑制されているという仮説もある。脳を徹底的に調べれば、その検証が可能かもしれない。

最近の研究で、芸術家や詩人、小説家には、それ以外の人より共感覚者が約7倍多いと示されている。そして、複数の専門家が、共感覚者は関連のないアイデアを結び付ける能力に秀でているという仮説を立てている。

「数年前に協力を依頼したある小説家は、共感覚が隠喩の選択に役立っていると断言していた。彼女によれば、言葉を思いつく前から、何色の言葉にすべきかが見えてくるそうだ」とブラング氏は語る。

共感覚者の中には、円周率を2万2514桁まで暗唱するなど、驚異的な記憶力を発揮する人がいる。とてもよく似た色を見分けられたり、触覚が非常に発達しているケースもあるという。

共感覚に関する研究は、オンラインジャーナル「PLoS Biology」で11月22日に公開されている。

Ker Than for National Geographic News

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