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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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「赤いユニフォームのサッカーチームは勝率が高い」は本当?

NEWS ポストセブン  12月16日(金)7時5分配信

今年Jリーグで優勝した柏レイソルのユニフォームこそ黄色だが、鹿島アントラーズや名古屋グランパスなど、いわゆる強豪と呼ばれるサッカーチームは、なぜだか赤いユニフォームが多い。今年は低迷したが浦和レッズも上位の常連だ。何か理由があるのだろうか? 『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でお馴染みの澤口俊之氏が、「赤」という色について脳科学的に分析する。

 * * *  2008年に、イギリスのある研究者が、「赤いユニフォームのサッカーチームの勝率が、ほかの色のユニフォームのチームよりも高い」というデータを出して話題になったことがありました。

 結論からいうと、この研究結果は、脳科学的にも理にかなっているといえます。その理由は、人間は赤い服を着ると、男性ホルモンの代表であるテストステロンが多く分泌されるため、元気になることがわかっているからです。また、観戦する側も、赤い服を着た選手をより魅力的に感じるため、応援に力がはいります。

 これに対し、赤い服を着て試合しても、テストステロンの分泌量は特に増えないという反証もあります。しかしそうした研究結果でも、試合後にはテストステロンの量が変化するとか、次の試合に向けたモチベーションに関係するといったことは認めているので、赤い服はやはり試合や勝利に関係しているといえそうです。

 サッカーというポピュラーな例をあげてお話ししましたが、実は、「赤」というのは生物学の世界では、最も注目されてきた色です。「赤」は繁殖行動に深く結び付いた色のため、動物の進化と色との関係の話では必ずといっていいほど登場します。

 哺乳類に限らず、鳥や爬虫類、さらには両生類や魚類にも当てはまることですが、「赤」は動物のもつ「魅力性」と深く関係しています。例外がないわけではありませんが、オスとメスが互いに引き合うとか、オスがメスを、あるいはメスがオスを引き付けるといったことに最も深く関係するのが「赤」という色なのです。メスをめぐるオス同士の戦いでも「赤」は重要な色になっていて、「闘争心」をかきたてるとされています。

 こうした多くの研究結果から、男性が赤を身にまとうと、元気が出たり、女性から注目されたりすることは確かなようです。同様に、女性も赤い服を身にまとうと、男性の視線を引き付けることが、男性の視線の動きを調査したデータからわかっています。つまり、「赤」は、人を魅力的に見せる色なのです。

※女性セブン2012年1月1日号

参照記事

放医研、アルツハイマー病の根本治療につながる新たな発症メカニズムを解明

マイナビニュース  12月16日(金)7時10分配信

放射線医学総合研究所(放医研)は、アルツハイマー病に関連するタンパク質「アミロイドβ」の蓄積と神経細胞死に、タンパク質分解酵素「カルパイン」が密接に関係していることを明らかにしたと発表した。発見は、放医研分子イメージング研究センター分子神経イメージング研究プログラムの樋口真人チームリーダーらと、理研脳科学総合研究センターの西道隆臣チームリーダーらとの共同研究によるもので、成果は米科学雑誌「FASEB Journal」オンライン版に12月15日に掲載された。

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代表的な認知症であるアルツハイマー病は、日本では100万人を超える罹患者がいると考えられており、病期の進行を食い止める治療手段が実現していない難治性の疾患である。

アルツハイマー病患者の脳では、小型のタンパク質であるペプチドであるアミロイドβが処理されずに繊維状に凝集して細胞外に蓄積し、「老人斑」と呼ばれる不要物の塊を形成してしまう。この老人斑が溜まるのにつれて神経細胞が傷害を受け、やがて死滅して脳の機能障害が起こるという流れだ。

この時、神経細胞中ではカルシウムの異常な増加が生じることが知られている。しかし、このカルシウムの乱れがアルツハイマー病の神経細胞傷害にどのように関わるのかがこれまでは不明だった。

今回の研究では、カルパインが細胞内のカルシウム増加に反応して活性化することに着目。カルパインは、細胞内に存在するカルシウム依存性のタンパク質分解酵素(プロアテーゼ)で、細胞内のカルシウム増加に反応して、構造タンパク質を切断したり、細胞死を誘導するタンパク質を活性化したりする機能を持ち、脳虚血における神経変異、がん転移、白内障などさまざまな病態への関与が報告されている。今回の研究は、カルパインがアルツハイマー病の病態メカニズムにおいて果たす役割を明らかにすることを目指して進められた。

アルツハイマー病におけるカルパインの活性化を調べるため、活性化したカルパインによって切断された細胞骨格タンパク質「αスペクトリン」を検出する抗体をまず開発。この抗体を用いてアルツハイマー病患者の死後脳を解析したところ、老人斑の周囲でカルパインが活性化していることが判明した(画像1)。

また、アルツハイマー病患者から採取した脳脊髄液中でも、カルパイン活性化により切断されたαスペクトリンの断片が増加しており、闘病中の患者の脳内でもカルパインが活性化していることが示された(画像2)。

さらに、遺伝子改変で脳に老人斑が形成されるアルツハイマー病モデルマウスにおいても、アルツハイマー病患者死後脳と同様に、老人斑の周囲でカルパインの活性化が認められた(画像3)。このカルパインの活性化は、神経細胞同士をつなぐシナプスにおいて生じていることが判明。カルパイン活性化によりαスペクトリンを初めとする細胞骨格タンパク質が切断され、シナプスの正常な構造が崩壊すると考えられたのである。

次にカルパインの活性化がアルツハイマー病の病態に及ぼす影響を明らかにするため、カルパインの阻害因子である細胞内タンパク質「カルパスタチン」を産出する能力を欠損したマウスと、カルパスタチンを過剰に産生するマウスが作製された。カルパスタチン欠損マウスをアルツハイマー病モデルマウスと交配することで、カルパインの過度の活性化が起こるマウスが誕生したのである。同時に、カルパスタチン過剰産生マウスをアルツハイマー病モデルマウスと交配することで、カルパインの活性化が抑制されるマウスが誕生した(画像4)。

アルツハイマー病モデルマウスは正常のマウスより寿命が短いのだが、カルパインの過度の活性化が起こると寿命がさらに縮まり、カルパインの活性化が抑制されると寿命が伸びて正常マウスに近づくことが判明した(画像5)。

また、カルパインの過剰活性化によって、老人斑の蓄積が起こる前の段階から神経の形態に異常が生じ、神経傷害が強まることも示された(画像6)。

交配マウスの脳を顕微鏡でさらに詳しく調べたところ、カルパインの活性化は、神経の損傷を加速するのみならず、老人斑形成も促進することがわかった。カルパインの過剰活性化が起こるアルツハイマー病モデルマウスでは、通常のモデルマウスに比して老人斑の量が多く(図7中央)、逆にカルパインの活性が抑制されたモデルマウスでは老人斑の量が少ないという結果が得られた(図7右)。

この老人斑の量の差は、生体脳の老人斑を可視化するイメージング薬剤を用いたポジトロン断層撮影(Positron emission tomography:PET)でも明瞭にとらえることに成功している(図8)。また、神経が傷害されるのに伴って脳内で炎症反応が起こるが、カルパインの過剰活性化によって炎症反応も強まることが、「炎症マーカー」(炎症に伴って増加し、生化学検査や画像検査などの手法により生体で検出できる分子)のイメージングによって判明した(図9)。以上より、カルパインが老人斑形成と神経傷害に及ぼす影響を生きた状態で評価できることが示されたのである。

続いて、カルパインの活性化がなぜアミロイドβの増加を加速するのかを明らかにするため、アミロイドβの生成や代謝に関わる分子について調べられた。その結果、アミロイドβなどのペプチドを分解する酵素である「ネプリライシン」が、カルパインの過剰な活性化によって減少することが確認されたというわけだ(画像10)。

ネプリライシンは脳内では主としてシナプスに存在するが、アルツハイマー病ではカルパインの活性化がこのシナプスで起こる。カルパインがシナプスの正常な構造と機能を乱した結果、ネプリライシンが減少すると推測された。

国際アルツハイマー病協会によれば、2010年の時点でアルツハイマー病にかかる経済コストは世界のGDPの1%を占めると報告されており、認知症対策の重要性が高まっている。

アルツハイマー病におけるアミロイドβの蓄積が脳内のカルシウムの乱れを引き起こし、その結果起こる神経細胞中のカルパイン活性化が神経傷害の大きな要因となっていることが、今回初めて明らかとなった。それと共に、カルパイン活性化がアミロイドβの蓄積を加速して、その結果カルシウムの乱れが強まりカルパインがさらに活性化されるという、悪循環メカニズムも新たに判明した(画像11)。

このような病態の仕組みが発見されたことにより、将来的にカルパインの活性化を阻害する薬剤を用いることで、アミロイドβ蓄積から神経細胞死に至るアルツハイマー病の発症機構全体を抑制する、画期的治療法が実現すると考えられている。

さらに老人斑と神経炎症のPETイメージングによって、カルパイン阻害剤がアルツハイマー病の病理変化を抑制できるかどうかについて調べることが可能だ。PETはモデル動物でもヒトでも利用可能な技術であり、ヒトで治療効果を出すために必要なカルパイン阻害剤の投与量をモデルマウスで予測し、実際の臨床で病理に対する治療効果を評価できるようになると考えられている。

カルパイン阻害剤は神経傷害の治療薬として、研究機関や製薬企業により開発が進行中だ。研究グループは、今回の研究でアルツハイマー病の根本的な治療につながる薬剤となりうることが示されたことから、今後は抗認知症薬としても開発が進み、またPET画像をバイオマーカーとして治療効果の評価が進展すると期待されているとしている。

(デイビー日高)

[マイナビニュース]

参照記事

認知症 確定診断の必要性 ケアに工夫、周辺症状も軽快

産経新聞  12月16日(金)7時55分配信

【ゆうゆうLife】

 認知症の原因を明らかにし、薬の処方を見直したり、ケアを工夫したりすることで認知症の人の状態が目に見えて良くなるケースもある。しかし、確定診断を受けている人は多くない。専門家は患者と家族に、早い段階で正確な診断を受けるよう求めている。(佐藤好美)

 熊本県荒尾市の特別養護老人ホーム「白寿園」の鴻江(こうのえ)圭子施設長は、3年前に入所した70代女性のことをよく覚えている。確定診断の必要性を実感するきっかけになった人だからだ。

 女性は「アルツハイマー型認知症」と診断されていた。入所からしばらくすると怒りっぽくなり、徘徊(はいかい)が目立つようになった。発熱しても徘徊はやまず、職員が声を掛けると、腹を立ててドアを蹴る。医師の診察を受け、薬を減らしたり変えたりしたが、良くならない。ろれつが回らず、介護に抵抗し、夜間も頭をガックリ垂れた前傾姿勢でふらつきながら歩き続ける。廊下やトイレで横になる。衣類を脱ぐ、食事を投げる、廊下で排泄(はいせつ)するなど、認知症の周辺症状(BPSD)と呼ばれる行動に、スタッフらは疲弊した。

 食事をしないことによる脱水や栄養失調をはじめ、転倒骨折も心配された。薬の副作用も疑われたため、白寿園では家族と相談し、女性を専門医に伴った。

 その結果、女性は「レビー小体型認知症」と診断された。専門医が薬を変更すると、女性の状態は10日目頃から変化。バランス良く歩くようになり、暴言・暴力が減少。食事も自分で取るようになって脱水や便秘が軽快し、トイレで排泄するようになった。何より意思疎通が可能になり、女性に笑顔が戻ったという。

                   ◇

 「認知症」は症状にすぎず、原因疾患は主に「アルツハイマー型」「脳血管性」「レビー小体型」「前頭側頭型」などに分かれる。それによって症状も治療法も違い、薬の処方が適切でないと、悪化することもある。

 鴻江施設長は「特養入所者の8割が認知症という時代に、『心に寄り添うケア』という情緒的なことだけではいけない。医療技術は必要で、確定診断があるとケアも変わる。脳血管性は行動が緩慢になりがちだから、生活にメリハリをつけようとか、前頭側頭型は時刻通りの行動や決まった行動にこだわるので、こだわりに合わせて散歩や風呂の時間を設定しようなどの工夫ができる」と指摘する。

 確定診断がケアに及ぼす影響は大きい。白寿園では昨年、認知症でてんかんの80代男性が入所した。歩けず、興奮しやすく、大声を出す。認知症の原因疾患が不明だったため、専門医を受診し、アルツハイマー型と診断された。

 医師はさらに頭部CT、下肢の筋力、関節の動きにくさの状態を見て、「歩けないはずはない。薬の中毒症状によるのではないか」と指摘し、血中濃度を測りつつ薬を減量したり、変更したりした。「歩けるはず」と聞いた介護職らは、男性に立つ、座るなどのトレーニングを開始。男性は2カ月後には平行棒内を歩き、最終的に歩行器で園内を移動するまでに回復した。

 鴻江施設長は「何年も前に診断を受け、薬もそのままで特養に入る人が多い。家族には確定診断を受けてほしいし、介護職は病気の特徴を知り、症状との関係を考えつつケアすることが重要」と話している。

 ■特養で調査とモデル事業 「原因違えば治療法も違う」

 「全国老人福祉施設協議会」は昨年、調査委員会を設置。会員特養の認知症の新規入所者5人について、確定診断の有無、服薬状況、周辺症状などを調査した。

 1143人分の集計によると、原因疾患が分かっている人は46・5%。中でも、レビー小体型と前頭側頭型は1%程度。発生頻度が認知症の2割程度とされるのと比べて大幅に少なく、見過ごされている可能性もあることが分かった。

 同委員会は、さらに3カ所の特養で認知症の周辺症状が顕著な10例を抽出。専門医の再診断、処方薬の見直し、医療職と介護職の定期的なケア会議、ケアの見直しを行うモデル事業を実施した。

 その結果、原因疾患を明らかにして薬を調整し、ケアを工夫することで状態が大幅に改善するケースがあることが分かった。イラストと、先に紹介したてんかんの80代男性は、モデル事業の具体例だ。

 同委員会の委員長で、熊本大学医学部神経精神科の池田学教授は「原因疾患が違えば治療法も違う。例えば、レビー小体型はアルツハイマー型に比べて、薬への感受性が強いから、処方のさじ加減が違う。転倒も多い。しかし、入所時に原因疾患が特定されていない認知症の人が多い。今はほとんどの町に認知症に詳しい医者がいるから、介護する家族は、かかりつけ医に『認知症の専門医を紹介してほしい』と相談し、確定診断を受けてほしい」とアドバイスする。

 加齢とともに病気も重複し、高齢者の薬は増えがち。認知症の他に基礎疾患があるケースでは、薬の見極めは特に難しい。しかし、中にはせん妄(意識が混濁し、幻覚や錯覚がみられる状態)を起こしやすい薬や、認知機能の低下しやすい薬もある。

 池田教授は「いつ、どんな目的で出された薬なのかが分からないまま、長年飲んでいることもある。経緯が分からずに中止するのは、医者も怖い。家族や介護者は服薬を本人や他人任せにせず、飲んでいる薬が何のためなのか把握していてほしい」と話している。

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