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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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中高齢者が外国で語学力上がらないのは現地語に触れないから

NEWS ポストセブン 1月11日(水)16時5分配信

語学をやるなら若いうちに始めたほうがいい、年を取ってからではとても習得できない…とよくいうが、15才を超えればどの年齢でも大差ないと『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でもおなじみの脳科学者・澤口俊之氏はいう。効果的な語学の学習法について澤口氏が解説する。

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 7才前から英語圏の国で暮らせば、多くの場合はネイティブ=母国語同様に英語を使えるようになります。こういうかたを、2か国語の場合には初期バイリンガル、多国語の場合には初期マルチリンガルといいます。8才ごろから15才ごろまでは右肩下がりで会話習得能力は落ちますが、環境や努力次第で、ペラペラになることは可能です。7才以前の「初期」に対して、これらのかたを後期バイリンガル、後期マルチリンガルといいます。

 これは、次のようにいいかえることができます。すなわち、会話にかかわる脳領域の「言語野」が、脳の発達段階で、最初からそのように作られた人を初期バイリンガル(マルチリンガル)、いったん「母国語」に作られた言語野が、外国語に対応できるように作り変えられた人を後期バイリンガル(マルチリンガル)と呼ぶわけです。どちらの場合も外国語ができるわけですから、実用上・表面上は大した違いはありません。後期バイリンガルのかたであっても、同時通訳の仕事をしているかたは珍しくありません。

 つまり、どの年でも外国語の会話習得は充分に可能だということです。中高齢になってから外国で暮らすようになった場合、若いころより、習得能力が落ちていると思われがちですが、それは能力というより、現地の言葉に触れる頻度や時間が少ないことが主な要因です。

 中高齢者の場合、現地人との関係が希薄になり、母国語を話す集団で過ごす時間が多くなるものです。ところが、現地の高校や大学に通うとなれば、いやおうなく学校で現地語に頻繁かつ長くさらされます。しかも、学びたいという「意欲」や、試験に落ちたらまずいという「危機感」、あるいは現地語でのコミュニケーションに伴う「喜怒哀楽」・実はこうした感情が脳に負荷をかけ、言語習得力を高めるのです。

 外国語会話習得の原則を整理すると、

1:どの年齢でも習得は可能。 2:習得のコツは、外国語に触れる時間を長くしたり、なるべく感情が伴うようにしたりすること。

※女性セブン2012年1月19・26日号

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