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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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<脳神経回路>発達制御の物質突き止め 自閉症解明に期待

毎日新聞 4月30日(月)22時10分配信

脳の神経回路の発達を制御する物質を、東京大のチームが動物実験で突き止めた。神経回路の発達異常は、統合失調症や自閉症との関係が指摘されており、原因解明につながる可能性がある。成果は米科学誌「ニューロン」に掲載された。

 脳では神経細胞同士が結合し、回路を作って情報を処理している。出生直後は神経細胞の結合部にあたる「シナプス」が過剰に存在するが、人は生後8カ月~10歳ごろに不要なシナプスを除去する「刈り込み」が行われ、必要なシナプスだけが残る。統合失調症や自閉症は、刈り込みが適切に行われないことが原因とみられている。

 東京大の狩野方伸(かのう・まさのぶ)教授(神経生理学)らは、神経細胞の活動を抑制する効果が知られる神経伝達物質のGABA(ギャバ)に注目。脳内でGABAを作りにくいよう遺伝子改変したマウスを使って、小脳の神経回路のでき方を調べた。

 生後9日ごろまでは刈り込みが正常に起きるが、10~16日ごろに低下し、特定部位のシナプスの数は正常マウスの2倍以上だった。この時期は人間の2歳ごろに当たる。別のマウスは生後10日にGABAの働きを強める薬を与えると、刈り込みは正常に起きた。このことから、GABAは発達過程の適切な時期に脳内で働いて神経細胞の刈り込みを制御し、神経回路を健全な状態にすると結論付けた。

 GABAはアミノ酸の一種で動植物に広く含まれるが、GABAを含む食品は脳には吸収されないため、摂取しても刈り込みを制御する効果はない。狩野教授は「人に同じ仕組みがあるとすれば、適切な時期にGABAの働きを強める投薬などで、神経回路の発達異常を軽減できる可能性がある」と話す。【久野華代】

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