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(朝鮮日報日本語版) ゲーム中毒:暴力的なゲーム、行動も暴力的に

朝鮮日報日本語版 5月6日(日)6時23分配信

暴力的なゲームの中毒に陥ると、実際の行動も暴力的に変化するという事実が、科学者たちの心理実験や脳画像研究を通じ、続々と証明されている。

 昨年5月、米国ミズーリ州立大心理学科のブルース・バーソロウ教授の研究チームが、70人の被験者を対象に、25分間暴力的なビデオゲームをさせた後、仮想の相手とどちらが先にボタンを押すかを競わせる実験を行った。勝てば相手のヘッドホンから騒音が流れる。この実験で、暴力的なゲームをした人はボタンを強く押すことで、そうでない人よりも相手に与える騒音を大きくしていた。暴力的なゲームが、無意識のうちに暴力的な行動を起こさせたことになる。この実験結果は、心理学で権威のある国際的な専門誌『実験社会心理学ジャーナル』に発表された。

 科学者たちは、この原因を脳が暴力に鈍感になっているという点から分析した。人間の脳は暴力的で残忍な場面を否定的なものと判断し、回避するようになっている。この働きをつかさどる部分は脳の左半球の前頭葉で、恐怖を感じたときや攻撃性をコントロールする際に、この部分が活発に活動する。

 昨年、ドイツ・ボン大学心理学研究所のクリスチャン・モンターグ博士は、1週間に平均15時間、一人称シューティングゲーム(銃器を目標物に向けて発射するゲーム)を行った人たちに暴力的な場面を写した写真を見せて、脳の活動の変化を撮影した。その結果、ゲームをしていない人の場合、恐怖や攻撃性をコントロールする脳の左半球の前頭葉が活発に作動したが、暴力ゲームをした人は、この部分がほとんど作動しなかった。ゲームをしていない人は暴力的な場面に否定的な反応を示す一方、暴力ゲームをした人は、暴力に鈍感な反応を示したわけだ。

 暴力的なゲームの中毒に陥ると、脳の認知能力と感情調節能力も低下する。昨年11月、米国インディアナ医大の研究チームは、脳画像の分析を通じて1週間に10時間、一人称シューティングゲームを行った人の脳で、感情をコントロールする脳の左半球の前頭葉と、認知能力をつかさどる前頭葉大皮質の活動が大幅に低下したことを確認した。その後1週間ゲームをしなかったところ、脳は正常に回復した。暴力ゲームが理性的な判断力と感情調節能力を低下させることが明らかになったわけだ。

 暴力に対する反応が鈍くなると、自分が実際に起こした暴力の深刻さを認識しにくくなる。暴力ゲームが理性と感情をまひさせ、ゲームの中の相手と接するように、現実の人間にも暴力を振るうようになるというわけだ。

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