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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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パーキンソン治療に光 脳の特定神経回路狙い撃ち死滅 京大霊長類研が成功

産経新聞 6月26日(火)15時8分配信

1千億を超える細胞が複雑に絡み合っている脳内の神経回路で、特定の部位を狙い撃ちして死滅させる手法を、京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の高田昌彦教授(脳神経科学)らのチームが開発し、サルの脳内でパーキンソン病に関わる部位に対する実験に、成功した。研究成果は26日付の米科学誌プロスワン電子版に掲載された。

 パーキンソン病など神経疾患の治療を行うには、病気にかかわる特定の神経回路を除去する治療法が有効とされている。しかし、神経回路は複雑に絡み合っているため、これまでは特定の部位だけを除去することが難しく、ほかの回路にも影響して副作用が出ることもあった。

 チームは、特定の細胞を標的にして死滅させる化学物質「イムノトキシン」に着目し、この物質と組み合わさって働くタンパク質を含む特殊なウイルスを開発。

 サルの脳神経の末端にウイルスを、末端と神経回路でつながった神経の細胞体にイムノトキシンをそれぞれ注入すると、2カ所をつなぐ神経回路だけが死滅したという。

 この方法を活用し、パーキンソン病などの発症に関わる脳の奥深くにある「大脳基底核」と呼ばれる部位で、脳神経の末端にウイルスを、運動を制御する大脳皮質の細胞体にイムノトキシンをそれぞれ注入。その結果、2カ所をつなぐ「ハイパー直接路」と呼ばれる神経回路だけを、死滅させることに成功した。

 高田教授は「今後は、副作用に対する安全性を高める研究を進め、パーキンソン病など特定の神経回路の活動異常で起きる神経疾患などの治療に応用できれば」と話している。

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