人はなぜ、「自分は優れている」と錯覚するのか―中国報道
XINHUA.JP 3月5日(火)21時3分配信
【新華社】 人には「自分は平均より優れている」という思い込み(優越の錯覚)があることが知られている。この錯覚が、脳内の神経伝達物質ドーパミンと脳の活動ネットワークに影響されていることが、日本の研究で分かった。
一般に、心理的に健康な人は、「自分は平均より優れている」と考える傾向がある。こうした「優越の錯覚」は抑うつ状態では弱く、逆に本来の自分を認識しやすいとされる。
日本の科学技術振興機構と放射線医学総合研究所が26日、20~39歳の男性24人に対して「正直」「温厚」「怒りっぽい」などの単語を示し、自分が平均と比べてどうかを評価してもらう実験を実施して被験者の「優越の錯覚」を分析したところ、多くの人が平均より2割程度優れていると自己評価していたとの結果を発表した。
被験者が抱える絶望感、つまり抑うつ状態が低ければ、「優越の錯覚」は強かった。
その上で、機能的磁気共鳴画像診断装置と陽電子放射断層撮影などを使い、脳内の働きと神経伝達物質が「錯覚」に与える影響を調べたところ、大脳基底核にある線条体と認知をつかさどる前部帯状回との連携が弱いほど、「錯覚」の程度が強いことがわかった。研究論文は近く、米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
(翻訳 金慧/編集翻訳 恩田有紀)
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