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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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大脳辺縁系

大脳辺縁系(だいのうへんえんけい、英 limbic system: limbicの語源のラテン語であるlimbusは、edge すなわち「辺縁」の意である)は人間の脳で情動の表出意欲、そして記憶自律神経活動に関与している複数の構造物の総称である。

大脳辺縁系は、内分泌系と自律神経系に影響を与えることで機能している。大脳辺縁系は、側座核といわれる構造と相互に結合しており、これは一般に大脳の快楽中枢として知られている部位である。

側座核は性的刺激、そしてある種の違法薬物によって引き起こされる「ハイ」な感覚と関連している。こうした反応は、辺縁系からのドーパミン作動性線維の投射によって強い修飾を受けている。金属電極を側座核に挿入したラットは、この部位への電気刺激を引き起こすレバーを押し続け、食物や水の摂取をせずに最終的には疲労によって死んでしまうことが知られている。

進化論的には、大脳辺縁系は脳の最も古い部位の一つであり、嗅葉orfactory lobesと関連している。魚類ではすでに辺縁系を見ることができる。動物が高等になるほど新皮質の占める割合が大きくなるのに対して、辺縁系の発達にはあまり差がなくなる。これは辺縁系が動物に共通な機能に関係しているからである。

辺縁皮質の主要な部位は大脳のうちの古い部分である原皮質と古皮質から成り、ほぼ発生学的な「嗅脳」に相当する。こうした言葉に対応して、(人における)大脳皮質の表層部は「新皮質」と呼ばれる。

大脳辺縁系機能が刺激されている人は、記憶の保持と想起が助けられる。例えば、辺縁系は嗅覚機能と強い関係があるので、記憶の形成される際にコーヒーやピーナッツバターなどの容易に認識されるような芳香が存在すると、そうした記憶と芳香は結合される。そのため、同じ匂いは記憶の蘇りを促進することになる。

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