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睡眠中のfMRIスキャンから夢の内容を解読する技術、ATRの研究者が発表


Engadget 日本版 4月5日(金)12時4分配信



国際電気通信基礎技術研究所(ATR) が、睡眠中の脳の活動パターンから見ている夢の内容を解読することに成功したと発表しました。

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血流の増減を画像化する fMRI で夢見中の脳活動パターンを計測し、「女性」や「本」など約20のカテゴリについて、夢の中に登場していたかどうかを高い精度で判定できたとしています。 発表したのは、ATR 脳情報研究所・神経情報学研究室の 神谷之康 室長らのグループ。同グループは従来から脳活動パターンから知覚内容や体の動きを解読する「脳情報デコーディング技術」を開発してきましたが、今回の研究では、外部の刺激と独立して脳そのものが自発的に生みだす夢の内容もデコードできることを世界で初めて示しています。

夢内容のパターン認識アルゴリズム(「デコーダ」)を構築した手法は、

1. 被験者に脳波計を着けてfMRIのなかで寝てもらい、脳波から夢を見ている可能性が高いと思われるタイミングで起こし、今まで見ていた夢の内容を自由に口述させる。(被験者3人について約200回)。

2. 報告内容から、一般的な物体や風景を表す名詞 約20を抽出する。

3. 抽出された約20の言葉それぞれについてウェブを画像検索して、得られたサンプル画像を今度は覚醒している人に見せ、現れる脳活動パターンを計測する。

4. 脳活動パターンから見ている物体を逆引きするアルゴリズムを得る。



要は「覚醒中に何かを見たときと近いパターンが、夢の中で同じものを見ているときにも現れる」ことを突きとめたことが研究の意義です。

この「デコーダ」で得られるのは、「女性、男性、自動車、本、食べ物」など約20の物体について、それぞれが夢の中にどの程度の確率で現れたかどうか。なので実際に夢で見ていた視覚情報(映像)が分かるわけではなく、人だったとして誰なのか、どんな格好でどのように現れてなにをしたのか、といったことは分かりません。安心してください。



夢の内容が漠然と分かってどうするのか、という話もありますが、この手法は想像や幻覚などについても応用できるため、頭の中で考えてコンピュータなどを操作するブレインマシンインターフェースや、精神疾患の診断などにも活用が期待できるとしています。

論文は4月4日付けの Science 電子版に掲載済み。( "Neural Decoding of Visual Imagery during Sleep." , Horikawa, T., Tamaki, M., Miyawaki, Y., & Kamitani, Y.)

研究者グループでは、今後この手法を発展させることで、さらに詳しい夢情報の解読が可能になるかどうか検証してゆくとのこと。将来的には、電子カルテに目を落とした医師に「プリキュアに選ばれる夢、まだ続いていらっしゃるようですね」などと的確に診断してもらえるかもしれません。



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