最新の脳科学情報はトップページからご覧いただけます ↑↑↑



脳科学者 澤口俊之氏による脳科学情報

脳科学最新ニュース一覧

「アッと驚く写真」には脳を活性化する効果がある 脳科学者が教える「脳が衰えない人」のプチ習慣響


1/26(金) 15:02配信


「成功する人とそうでない人の違いは、普段どんな写真を見るかでわかる」と脳科学者の西剛志さんは言います。これは大げさな例えではなく、ある特定の写真を見ることで脳は活性化し、それまで見えていなかった視点で物事が捉えられたりするというのです。たとえば、ある映像を見て感動したとき、人に会いたくなったり、アイディアが浮かんだり、やる気が上がったり、これまでの考え方や習慣を変えよう! と思ったことはなかったでしょうか。これらは視覚的な刺激を通して、脳が影響を受けたからです。

【写真】「おっ」と驚くような写真や、見たこともないような写真を見ると、集中力を高めるドーパミンが分泌される
https://toyokeizai.net/articles/photo/724850?pn=2&utm_source=yahoo&utm_medium=http&utm_campaign=link_back&utm_content=inarticle

では、どんな写真を、どう見たら、脳が活性化し、「成功する人たちの脳に近づける」のでしょうか。本稿は、『脳科学者が考案 見るだけで自然に脳が鍛えられる35のすごい写真』より、一部抜粋・再構成のうえお届けします。

■脳を鍛えるのに「年齢制限」はない! 

 「最近、物忘れが多くて記憶力が落ちてきた」

 「以前に比べてやる気がでなくなった」

 「『アレよ、アレ、アレ』と、思い出せそうなのに、思い出せないことがよくある」

 これらは、すべてうまくいかなくなる人たちのサインです。

 脳は何もしないでいると、30代から老化がはじまり、気づけばどんどん老化が進んでいます。

 私は脳科学者なので、「脳の老化を防ぐにはどうしたらいいのか?」という相談もよく受けます。

 「成功する脳をつくる」、「老化を防ぐ」、そんなあらゆる要望に応えるべく、ある一つの脳活メソッドを考えました。

 簡単で、すぐにできて、効果があって、楽しくて、続けられるものです。

 「脳を鍛えるなんて、いまさら無理……」と思う方も多いでしょう。

 しかし、近年「特定の写真を見ることで脳が鍛えられる」という研究が注目されています。

 2020年にストックホルム大学のKristoffer N. T. Manssonらが、意識的に写真を見るだけで視覚野の灰白質や皮質の質量が増えることを報告しましたが、脳は刺激を受けると変化する「脳の可塑性」という性質があります。

 またスペインの研究でも、脳はなんと90歳まで新しい神経細胞がつくられていることがわかっていて、40歳になっても、60歳になっても、90歳になっても、もちろん若い人でも、脳は鍛えられることが知られています。

 2025年には高齢者の患者数が700万人、5人に1人に達すると推計されている認知症ですが、軽度認知障害(MCI)という認知症の入り口の段階で脳を鍛えれば、15~40%程度は正常の認知機能に回復できるという報告もあります。

 写真を見るだけで脳細胞が活性化して、脳を元気にすることができる、こんな一見すると信じられないことが実現できたら素晴らしいことです。そこで、これを現実化するために、下記の特徴を持つ写真が注目されています。

■とくに脳に効くタイプの写真

 「写真を見ること」は脳にもっとも手軽に脳に大きな刺激を与える方法です。

 なぜなら、五感のなかでも、視覚の情報量は最大で、大脳新皮質のうち約50%が視覚の処理に使われているからです。

 ここでは、私が脳科学者としての知見をいかしてわかってきた、最も効果的に脳を活性化させる8タイプの写真の特徴をお伝えします。

 8タイプの写真は、7つの脳力を活性化させる効果がありますので、どんな効果が得られるかもご紹介します。

◎予想外の写真
 「おっ」と驚くような写真や、見たこともないような写真を見ると、集中力を高めるドーパミンが分泌されます。ドーパミンは幸せホルモンとも呼ばれ、幸福度を高める作用があり、それにともない意欲も高まります。

とくに鍛えられる脳力:集中力、判断力、意欲

◎リラックスしている人や動物の写真
 リラックスしている人や動物の写真を見ると、心身の緊張がほぐれていきます。これは、他人の行動を見ると、自分もその行動をしているような感覚に陥る「ミラーニューロン・システム」というしくみが脳に備わっているためです。

とくに鍛えられる脳力:共感力、意欲

■ストレスを軽減する効果も

◎自然の緑がある写真
 自然の緑は脳が一時的な休息状態になるため、たとえ緑が嫌いな人でも、自然の緑を見るとわずか5~7秒で集中力が高まります。2014年のアメリカの研究では、緑のある写真と都市の写真を見てもらったところ、18~25歳の若い人で約8倍、64~79歳の高齢者でも4~5倍も集中力が高まることがわかっています。また、集中力を高める作用のほかに、ストレスを軽減する効果も複数報告されています。

とくに鍛えられる脳力:集中力、感情コントロール力
◎躍動感のある写真
 躍動感のある写真を1.2~1.5秒間ほど見るだけでも、脳の思考や価値判断を司る部位(眼窩前頭前皮質)を活性化させることができます。体の動きを司る一次運動野、二次運動野にも作用するため、行動のイメージがしやすくなり、考えたことを実行に移しやすくなります。

とくに鍛えられる脳力:集中力、実行力、判断力

◎ハラハラする写真
 ハラハラするような写真を見ると、脳は危機感を感じて、闘争心を高めるアドレナリンと、逃走するか否かを適確に判断するノルアドレナリンというホルモンを分泌させます。この2つのホルモンが集中力や意欲を高めてくれます。

とくに鍛えられる脳力:集中力、意欲

■意欲と記憶力には深い関わりが

◎視点が増やせる写真
 写真のいろいろなところから見える景色を想像すると、サードアイと言って物事を多方面から見るクセがつき、現状を正しく分析して判断する力が身につきます。また、自分を客観視できるようになり、物事を冷静に受け止められるようになります。特に客観視を司る「背外側前頭前野」を鍛える効果が期待できます。

とくに鍛えられる脳力:判断力、感情コントロール力

◎たくさんのものから選べる写真
 たくさんのものから選ぶ行為には、幸福度を高めることでやる気(意欲)を起こさせる脳の報酬系を活性化させます。意欲と記憶力には深い関わりがあり、意欲が低下すると記憶力も低下するといわれています。

とくに鍛えられる脳力:記憶力、意欲

◎見えそうで見えない写真
 この写真のように、どこか見えないところがある写真を見ると、「隠された部分を見たい」という欲求が高まり、それとともに意欲が高まります。さらに、ドーパミンの分泌がうながされて、集中力や注意力も高める効果が期待できます。

とくに鍛えられる脳力:集中力、意欲

■脳が鍛えられる写真の見方と効果

 8つの特徴を複数もった写真であれば脳活効果がかなりあると言えますが、さらに脳を鍛えるためにはコツがあります。

 それは、「1枚の写真をさまざまな視点で見たり、考えたりすること」です。

 たとえば、

 ・この写真に写っている人は、何を話しているんだろう? 

 ・写真に写っている場所に自分がいたら、どんな景色が見えるんだろう? 

 ・写真に写っている食べ物は、どんな味がするんだろう?

ということを想像してみるのです。

 想像力を使って考えたりすることは、脳全体にいい刺激をもたらし、脳を活性化させます。

 では、実際、具体的にやってみましょう! 

 次の1枚の写真を、以下の手順で見てみてください。

 ① まず、写真全体を「ぼーっ」と眺める(5~7秒間)

 ② より活性化させたい脳力別の見方にしたがって写真を見る

判断力を鍛えたいとき…
 どの順番で食べるか考える

 一番おいしく食べるにはどうすればいいか、食べる順番を考えてみましょう。先を推測するときに使用する脳の部位が活性化され、物事を適確に判断する能力が高まります。

記憶力を鍛えたいとき…
 目を閉じて、どんな順番で並んでいたか再現する

 目を閉じて思い出すことは、物事を短期的に記憶するワーキングメモリを活性化します。買い物するものや、電話番号などを覚える力を高めることが期待できます。

■身の回りの写真でも応用できる

感情コントロール力を鍛えたいとき…
 脳内を好きなドーナツの色にしてみる

 イライラしたり、不安なとき、脳内は暗い色のイメージになっていることがわかっています。ドーナツの明るい色を頭のなかでイメージすると、気持ちが明るくなります。

共感力を鍛えたいとき…
 写真のドーナツを話題に、どんな話をするか考える

 他人を楽しませるためには相手の状況を理解している必要があります。発する言葉を考えることで、共感力を司る「前帯状皮質や島皮質」の部位が活性化し、思いやりのある言動がとれる効果が期待できます。

 いかがでしょうか。

 身の回りの写真でも応用できることだと思いますので、いろいろな写真でチャレンジしてみてください。

西 剛志 :脳科学者(工学博士)、分子生物学者

参照記事



トップへ戻る
inserted by FC2 
system inserted by FC2 system