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脳科学者 澤口俊之氏による脳科学情報

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「眠れない」は異常事態! 睡眠の質をさらに上げるために「やってはいけないこと」


1/27(土) 18:30配信


私たちの日常はストレスを感じることばかり。家、職場、など場所を問わず、いつでもストレスにさらされています。けれど、ストレスを本当に『ゼロ』にしてしまうと、成長する機会を逃してしまうことも。
そこで今回は、精神科医・樺沢紫苑さんの著書『ストレスフリー超大全』から、誰しもが悪いストレスを感じやすいテーマを深掘りし、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」をご紹介します。
ファクトをつかみ、ToDoを知れば、悩みの9割は解決するとのこと。あとは行動するのみ!

死亡率が5.6倍も上昇!? 知っておかないと怖い、「睡眠不足」が招く心と体への影響
https://withonline.jp/with-class/lifestyle/topics-health/TQOVm/items/thumbnail

一般的な睡眠不足の悩みについて、前記事で解決法を紹介しました。ここでは、さらに睡眠の質を上げていくための方法をまとめました。

【ファクト①】「眠れない」を放置すると病気になる

そもそも、「眠りの質が悪い」とはどういうことでしょうか。
脳と体には「睡眠」というシステムがあります。疲労回復、免疫力アップ、新陳代謝、細胞修復、脳内の情報の整理などの役割を持ちます。睡眠は生物にとって絶対に必要な機能なのです。
「眠れない」というのは、生物にとってかなりの異常事態です。不規則な生活やストレスなどによって、「正常な睡眠機能」が破綻したということです。

人間の体には、「自然治癒力」が備わっています。昼もある程度働きますが、免疫活動が活発になる「睡眠中」にこそ自然治癒力は働きます。睡眠時間が短かったり、睡眠の質が悪かったりすると、自然治癒ができず、やがて「病気」を発症します。

「眠れない」というのは体からの「警告」です。その警告に耳を傾け、不摂生な要素を取り除かないと、あなたはメンタル疾患や心筋梗塞、脳卒中などの身体疾患、あるいは突然死や過労死のリスクを抱えることになります。
「眠れない」は、「健康」と「病気」の中間、「未病」の状態なのです。慢性的な不眠を抱えている人といい睡眠がとれている人とでは、うつ病の発症率は40倍の違いがあります。認知症のリスクの差は5倍にもなります。

あらためて、質の悪い睡眠を放置すると、極めて高い確率で病気になることを知っておきましょう。逆にいうと、生活習慣さえ改善すれば、健康で長生きができるのです。

【ToDo①】睡眠の質をよくする方法
前項では、睡眠に悪い習慣を紹介しましたが、ここでは睡眠の質を改善する「睡眠に良い習慣」を紹介しましょう。

(1)正しい入浴をする
スタンフォード大学の西野精治教授は、「入浴こそがぐっすり眠るための最も重要な方法だ」と結論を出しています。「寝る前90分までに入浴を終えること」をすすめています。
深い睡眠に入るためには、「体の深部体温が下がること」が必須です。風呂から上がると体温が徐々に低下し、90分経つと深部体温が下がった状態となり、成長ホルモンもたっぷり分泌されます。
また、「入浴の水温は40度、湯船に入る時間は15分」が目安です。それ以上の熱い風呂に入りたい人は、寝る2時間以上前に風呂から上がるようにしてください。

(2)運動をする
オレゴン州立大学の研究によると、1週間に150分の運動を行うことにより、睡眠の質が65%改善、日中の眠気が65%減少、日中の疲労感や集中力が45%も改善しました。1日20分程度の運動(早歩きも可)で睡眠の質が劇的に改善するのです。「45~60分以上の中強度の運動を週2回以上行う」と、さらに効果的です。

(3)照明と室温を整える
前項でも述べたように、「ブルーライト」は睡眠の大敵です。蛍光灯もブルーライトを発するので、白熱電球またはLED電球の「電球色」に変えましょう。
寝るときは、「真っ暗」な環境で眠ると、最も睡眠の質がよくなります。豆電球をつけて寝るのも避けましょう。薄いカーテンも外の光が入るのでNGです。わずかな光でも、睡眠物質のメラトニンを抑制してしまいます。「室温」もかなり重要です。快適に眠るための室温は、夏は25~26度、冬は18~19度といいます。「18~19度」はやや肌寒い温度ですが、深い睡眠に入るためには「深部体温が下がる」ことが必須です。室温は低めのほうが睡眠の質がよくなります。風邪を引かない程度に、涼しい環境で眠ってください。


【ToDo②】寝る前2時間のリラックス・ルーティン

最低限の環境を揃えたら、次はさらに睡眠の質を高める方法を実践しましょう。それが、「寝る前2時間をリラックスして過ごす」ということです。
日中は、「昼の神経」である交感神経が優位ですが、夜間、そして睡眠に入るためには「夜の神経」である副交感神経が優位になることが大事です。その2時間にすべきことを右の表にまとめました。

【ToDo③】睡眠薬に頼らない方法
不眠症として精神科に通院し睡眠薬をもらっている人もいるでしょう。睡眠薬をやめたいという場合は、前項の「睡眠に悪い生活習慣」をすべて改善してください。1~2つの生活習慣を改善しても、さほど効果はありません。生活習慣改善を「すべて実践すること」が必要です。また、体内時計をリセットするための「朝散歩」も必須です。徹底的に生活習慣を改善すれば、睡眠障害は必ず改善します。本気で取り組んでください。

さらに学びたい人は
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』(ショーン・スティーブンソン著、ダイヤモンド社) 難易度★★
睡眠本の中で、私が気に入っている本が、本書です。医者や研究者が書いた本は、「科学的根拠」「機序」「原因」などが多く、説得力、信憑性がありますが、「To Do(やるべきこと)」の記載が意外と少ない。健康アドバイザーのショーン・スティーブンソンは、かなりマニアックな健康オタク、睡眠マニアで、ありとあらゆる方法を調べ、それを自分で実践して検証した結果を集めた睡眠術の百科事典です。全21章もあり、「To Do」に徹底的に特化しているのがいい。この本から、1つでも、できることを実践し、実践すれば
するほど効果が出る睡眠ハック本の決定版です。

▼著者プロフィール▼
樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計100万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。

今回紹介したのはこちら!
『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』
樺沢 紫苑 著/ダイヤモンド社

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