? 脳科学最新ニュース/「脳のニュース」 2013年3月06日会話が弾む飲み物は「コーヒー」「お茶」より「紅茶」

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脳科学者  澤口俊之氏による脳科 学情報

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会話が弾む飲み物は「コーヒー」「お茶」より「紅茶」


@DIME 3月6日(水)18時5分配信



紅茶ブランド「リプトン」を展開するユニリーバ・ジャパン(本社:東京都目黒区、代表取締役プレジデント兼CEO:レイ・ブレムナー)は、相手との会話を弾ませるのに適した飲料が何かを検証するために、20~40代の男女(初対面・恋人・夫婦)10組20名を対象に、30分間の会話中の脳血液量測定(前頭16部位)およびコミュニケーション分析を行なった。検査を監修したのは、杏林大学医学部精神神経科・古賀良彦教授と、コミュニケーションのスペシャリスト・野口敏氏)。その結果、「紅茶」「緑茶」「コーヒー」3種の飲料のうち、会話開始からの30分間で脳の働きが最も活発で安定的だったのは「紅茶」で、前頭葉を活性化し、論理的思考力、表現力、創造・想像力を高めて、相手との会話を弾ませるのに効果的な飲料であることが判った。また、コミュニケーションの観点では、リラックスした心理状態へと促す兆候が見られた「紅茶」が、相手との会話を楽しむための良きコミュニケーションツールになっていることも示唆された。

1.会話直後から30分後まで、脳の活性効果が安定的で高かったのは「紅茶」

「紅茶」「緑茶」「コーヒー」3種の飲料が脳機能に与える活性効果を調べるために、20~40代の男女10組20名を対象に脳の血液量の変化を測定した。測定の結果、会話開始直後の各飲料における酸素化ヘモグロビン濃度の平均値が最も高かったのは「紅茶」であることが判った。脳の酸素化ヘモグロビン量が高いことは、脳の前頭葉の働きが活性化していることを示している(古賀教授)

■脳活性化によって刺激された感情表現力で、気持ちが伝わる会話に期待

 杏林大学医学部精神神経科・古賀良彦教授の見解によれば、「前頭葉は脳において最も高度な働きをする部位であり、論理的思考力が働いて話の流れを順序良く組み立てたり、相手の興味を引き寄せる表現力や創像力を働かせます。脳の酸素化ヘモグロビン濃度の平均値が最も高かった「紅茶」は、他2種の飲料よりもコミュニケーションを活性化させ、会話力を高める効果があると推測されます。」とコメントしている。

 コミュニケーションのスペシャリストで認定コーチの資格を持つ野口敏氏の考察では、「会話を盛り上げるには相手の心をつかむ話し方が重要で、想像を働かせた「質問力」、表現に満ちた「言葉力」、気持ちが伝わる「表現力」が必要とされます。従って、脳が活性化されることで想像力が働き、自分の気持ち・感じ方を豊かに表現できることで相手自身の感じ方も刺激し、興味関心を持たせた話ができるでしょう。」とコメント。脳の活性化が著しかった「紅茶」が、相手の心をつかむコミュニケーション要素を育ててくれるかもしれない。

2.会話開始~30分間、会話を弾ませるのに必要な自己開示とリアクションを得られたのは「紅茶」

「会話を弾ませるのに必要なのは緊張や警戒心を解いてリラックスした状態で、自身のエピソードを交えて話す自己開示と、相手の気持ちに焦点を合わせたリアクションが重要。自己開示は、自分の弱みを見せることにもつながり、誰もが共感できる話題へと変化して会話が弾むきっかけになります。」と提唱する野口氏の検討結果によると、自己開示とリアクションに最も反応が良かった飲料は「紅茶」であると分析している。

「初対面ペアでなくても、リラックスした状態で相手を理解しようとする姿勢が自然で素直なリアクションにつながり、話し手の気分をさらに上げて会話を弾ませていた恋人・夫婦も見受けられました。会話を弾ませることは、お互いの相乗効果を発揮する協同作業とも言えるでしょう。」と考察している。自己を開示して自身のエピソードを話す話し上手と、相手の言葉ではなく気持ちにリアクションできる聞き上手を助力する「紅茶」は、相手との会話を楽しむコミュニケーションツールとして大切な役割を果たしていることが伺える。

3.持続する脳の活性化効果で、感情表現能力、創造・想像力が会話力をアップする

「紅茶」は、酸素化ヘモグロビン濃度の平均値が開始直後0.07mM×mmの状態から、終了間際には0.02mM×mmと変動はしたものの、実験開始から30分が経過しても脳の活性効果が持続したことが見て取れた。「紅茶」と同様に開始直後の平均値が高かった「コーヒー」0.04mM×mmは、終了間際には-0.05mM×mmと急激に減少している。一方、開始直後の平均数値が低かった「緑茶」は、終了間際には0.05mM×mmと顕著に数値を上げているものの、「紅茶」程の即効性ある脳の活性化および持続には至らなかった(古賀教授)

「会話を楽しむには、話し始めが大切。」という見解を野口氏は示す。「第一印象や先入観はわずか数秒で判断されて自分に好意的か否かが決まり、話し始めてすぐの相手のリアクションによって話の興味関心の有無が決まります。」とコメント。「紅茶」を飲用し、先入観に捕われない発想と想像、順序立てて話をする思考で、会話力を磨いてみるのも良いのではないだろうか。

■相手への興味関心が増し、ノンバーバルな反応(ボディランゲージ)に良好な変化が

「会話の弾み度」についてコミュニケーション評価軸*を基に分析したところ、10組中8組(同順含む)のペアが紅茶を飲んでいる時の会話が最も弾んでいることが判った。初対面では4組中3組が高く、知らない相手でも会話が盛り上がった結果となり、他2種類の飲料よりも相手との距離が縮まったことが伺える。コミュニケーションのスペシャリスト野口敏先生の見解によると、「初対面はどうしてもお互いに相手を警戒しがちですが、紅茶を飲みながら会話を交わした初対面3組に共通して言えることは、話を聞く態度、アイコンタクトや身を乗り出す姿勢の変化、ジェスチャーの重なりや自身のエピソードを話すなどの自己開示が目立った。時間が経過するにつれて打ち解け合い、お互いに興味関心を持っているように感じられました」とコメントしている。

 普段から多く会話を交わす恋人や夫婦については、「どうしても会話がマンネリ化してしまいがちですが、聞き方・話し方に変化があったと感じます。どちらかが相手の会話に耳を傾けて深く共感することで、独り言のような話し方から徐々に語りかけるような口調で話す傾向が多数見受けられました。リラックスした心理状態からか、ありのままの自分をさらけ出すことや相手を受け入れる寛大な姿勢が目立っていました。会話時の飲料で、相手との距離や打ち解け度合に影響を与えるとすれば、脳の活性化を促して 感情表現能力が豊かになり、リラックス効果にも期待が持てる「紅茶」を飲むことをお薦めします。」と言及。会話がマンネリ化してしまっている恋人や夫婦、意思疎通を図りたい意中の人とは「紅茶」を飲みながら会話することで話が弾み、いつもよりも有意義な時間を過ごせるかもしれない。

■各飲料の効果を最大限に活かせるシーンは

 実験の前後2回に渡って実施した心理検査(VAS)から、試料を飲用する前と後の心理状態で各飲料が与える心理的影響の傾向が判った。「紅茶」は、『リラックス度』のスコアが飲用前に比べて飲用後では約12、 『快適度』のスコアは約16もの顕著な上昇を示し、心理測定の結果からも、野口氏によるコミュニケーションの観点からもリラックス効果を与える飲料であることが示唆された。

「緑茶」においては、『充実度』のスコアの変化が3つの飲料の中で最も大きく約16の上昇を示し、気持ちを和ませホッコリした気分に浸りたいシーンに適した飲料かもしれない。『頭の回転度』では約20上昇し、脳をリセットしてストレス解消への効果に期待が持てるだろう。 カフェインを豊富に含んで眠気覚ましに効果的と言われる「コーヒー」は、『覚醒度』において飲用後にはスコアが約 21、『活力度』では約9の上昇を示したが、意外にも「紅茶」「緑茶」を圧倒する程の変化は見られなかった。古賀教授は「いずれの項目でも大きな変化を示さない「コーヒー」は、カフェインによる覚醒作用以外には、大きな影響を与える可能性が低いのかもしれません。」と分析。何かに集中して打ち込みたい時は、やはり「コーヒー」がその期待に応えてくれるのかもしれない。

■ 紅茶成分「テアニン」「カフェイン」「タンニン(カテキン類)」の働きについて

 紅茶のうまみと甘みを醸し出すアミノ酸の一種「テアニン」には、脳波の一種であるα波を増加させ、リラックス効果をもたらす作用を持っている。「カフェイン」の効能には利尿作用、覚醒作用、大脳刺激作用、疲労回復作用があると言われており、疲れやイライラなど、ストレス解消に効果的と言われている。コーヒーとは異なり、紅茶の場合は「カフェイン」の働きを「テアニン」が抑制するため、やさしい飲み心地で過度の覚醒・刺激の緩和を促す。 ただし、摂取のし過ぎは逆効果になるため、適度に飲むことが脳を程良く刺激しつつ、リラックス効果を得ることにつながる。カテキン類の一種である「タンニン」には、老化を防ぐ抗酸作用、殺菌作用があると言われており、近年ではインフルエンザの予防に効果的な殺菌作用をもたらすことから、紅茶でうがいすることが推奨されている。



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